私は、今でこそ21年以上にわたって
DELE Superior取得済みのスペイン語通訳者として仕事をし、
15年間にわたって100人近くの方々にスペイン語も教えてきました。

今では、このような経歴があるものの学生時代は落ちこぼれで、
いつもなんとか単位をとれるような学生でした。

それでも大学時代になんとか留学試験に受かり、
日本の大学での授業は外国人教授ばかりだったこともあり、自信満々でメキシコへ行きました。

ところが、、、がくぜんとしました。


なぜなら全くメキシコ人と会話ができなかったのです。
会話が成立するどころか、メキシコ人の普通の会話がわからなかったのです。

それでも毎日毎日、デスクに向かって単語を覚える、
文法を復習するということをとことんやっていたつもりでした。

具体的には、単語を覚えるときは、スペイン語の単語を見ては、
日本語で言えるように、文法は、例えば「接続法点過去」と言われれば、
秒でスラスラ言えるように練習していました。

また、学校から出される宿題は欠かさず全部こなしていました。

それでも、学校では優秀でも、日常会話ができないモンモンとした日々が続きました。
現地で友達は全くできず、ホストファミリーとさえうまく話せないのです。

その理由は、とても教えるのが上手な先生と出会ったおかげでわかりました。

その先生は、メキシコの留学先の文法担当の先生でした。

「文法や単語ばかり覚えても話せるようにはならないよ。
まずはネイティブの表現パターンを覚えなさい」と。

衝撃が走りました。まさに天変地異のようでした。

先生は続けました。

「文法ありきの言葉じゃない。言葉ありきの文法なの。
外国語に伸び悩む生徒たちには同じ傾向が見られるわ。
みんな文法、ボキャブラリーばかりで、木を見て森を見ず状態なのよね。」と。

まさにその時の私の状態でした。
文法やボキャブラリーテストではいつも高得点。だけど話せない。
一方で、ヨーロッパの学生はそんなに点数はよくないけれども話せる。

そこから私は一大決心して学習法を変えました。

そして先生に言われた「ネイティブが使うパターンを覚える」を
そのまま実行したのです。

たったこれだけでした。

たったこれだけでしたが、ネイティブパターンを
とことん脳に刷り込んだ１ヶ月後には、
メキシコ人ホストマザーもびっくりするほど
スペイン語がスラスラと口をついて出てくるようになったのです。


そしてスペイン語は大学から勉強し始めたにもかかわらず、
「日本へ行ったことはあるか？」
「メキシコ育ちでしょ？」と
今では言われるまでになりました。

実は、この運命の先生が教えてくれた勉強方法こそ、
私が数年後にマドリードで学ぶこととなった
ヨーロッパでは主流のスペイン語の学び方だったのです。

この方法は私だからできたわけではありません。

ただただネイティブのパターンを聞いてそれを体系的に覚えていく。
というのを繰り返しただけなのです。

筋トレにも年齢が関係ないように
このトレーニング方法にも年齢は関係ありません。

私の生徒さんで55歳を超えてからこの方法で
話せるようになった方もいらっしゃいます。

このスペイン語のネイティブパターンを体系的に覚える方法で
筋肉が徐々についていくように、脳の筋トレでネイティブ脳に書き換えられ、
スペイン語が自然と口をついてくるようになるのです。